超音波を利用した
視覚障がい者用歩行補助具

ス マ ー ト ソ ナ ー

スマートソナーは、目の不自由な方が
行きたいときに行きたいところへ行くお手伝いをします


ほりき工房   2018年12月15日更新

 10月13日(土)・14日(日)の日本ライトハウス展に新しいスマートソナーの1号機を出展してご希望の方に体験していただいて、その場で多くの方にスマートソナーの機能を理解していただきました。
 しかし、中には理解していただけない方もおられました。スマートソナーは、反射してくる音を聞いて、障害物がないかなど前方の様子を耳で感じ取っていただきますが、聴覚には個人差がありますので理解していただけない方がおられるのも当然かと思います。
 日本ライトハウス展での体験は次のように進めました。
 体験を希望される方にスマートソナーを装着していただいて、私が次のように言います。「私はあなたから40センチくらい前の少し高い位置にいますので、スマートソナーから出ている超音波は私の体に当たって反射しています。ですから、今聞いていただいている音は私の体から跳ね返った音です。近いところにいますから低い音になって聞こえていると思います。次に、私がどきますと今度は私のうしろにある壁から跳ね返えります。壁までの距離は2メートルくらいありますから少し高い音になって聞こえます。  どうでしょうか?」
 体験者の方から「あ、音が変わった。障害物が遠くにあると高い音になるのですね」と理解していただきますと、次に私は「私があなたの前にもどります。そして、ゆっくりと反対の方向に動いて行きます。  どっちへ動いたかわかりますか?」
 このとき体験者の方から「低い音が右の方へ動いた」と言っていただきますと、すっかり理解していただいたことになります。一度で理解していただけないときは何回かやってみます。
 最後は、ご自分でいろんな方向を向かれたり、歩い試される方もいます。ただ、会場内は人も多く、壁や天井から音が返ってきますから屋外と違ってうるさく感じます。
 使い方がちょっと面倒ですので、「スマートソナーは全盲で耳は普通という方が、一人で外出したいから面倒でもしかたない、という方のために作りました」と予防線をはっています。体験していただいた方からはやはり「もっと使いやすくならないか」というご意見をいただきました。将来の課題にさせていただきたいと思います。
 弱視の人が使えるものを作ってほしいというご意見もいただきました。新しいスマートソナーは、全盲の方を前提にしてメガネのレンズ面に電子回路を貼り付けていますので前が見えません。弱視の方の中には、ほとんど見えない、夜にはまったく見えないという方がおられます。ほとんど見えなくても残っている視力をだいじに使いたいと考えられるのは当然です。弱視の方のためのスマートソナー開発を将来の課題にしたいと思います。
 新しいスマートソナーの価格を聞いていただいた方がたくさんおられました。申し訳ありませんが、まだ決まっていません。もうしばらくお待ちください。
スマートソナーとは:
 スマートソナーは、簡単に言いますと、人間がコウモリのようになってもらおうというものです。
 形は、メガネに超音波発振子1個とマイクロホン2個がついています。それとは別に装置本体と環境音も聞こえるイヤホンがあります。
 スマートソナーの仕組みは、メガネの真ん中にある発振子から超音波を発信して、戻ってくる反射音をメガネの左右のツルについているマイクロホンで拾います。マイクロホンの後ろにはパラボラ状の集音器がついています。
 戻ってくる反射音も超音波です。超音波は人間には聞こえませんので装置本体の中で人間に聞こえる音(可聴音)に変えてからイヤホンに出力します。
 その結果、イヤホンから聞こえる音は可聴音に変換された反射音です。反射音が出ているところに何かがあるわけですから、反射音を聞くとそれがどの辺りにありそうかがわかります。ステレオになっていますので、右か左か前かを感じていただくことができます。建物の中などではいろいろな方向から反射音が返ってきますから複雑な音になります。
 工夫がしてありますので、遠いところから返ってくる反射音は高い音、近いところから返ってくる反射音は低い音になります。これは、超音波が出てから返ってくるまでの時間差を利用しています。そのため、聞こえる音の高さで障害物などまでどれくらいの距離があるかを感じていただけます。

 ただし、スマートソナーがお役に立つためには慣れていただく必要があります。すぐ前に壁があるとか、車のような大きなものがあるくらいは慣れなくてもわかりますが、もっと小さいもの、細いものは慣れないとわかりません。はやく慣れていただくためには、「こんな音が聞こえるところには何があるのか」とか「こんなところではどんな音がするのか」と、手で触れてみたり、目の見える人に聞いたりして経験を積んでいただくのが一番のようです。

 スマートソナーの難点は、慣れていただかなくてはならないことのほかに、騒音の大きいところでは使えません。スマートソナーの音が聞こえなくなるからですが、逆に、建物の中などではスマートソナーから断続的な音が続きますからちょっとうるさいです。それから、装置本体は手のひらぐらいの大きさがありますので、胸のポケットには入りません。発振子やイヤホンがついているメガネとイヤホンを装置本体とコードでつながなくてはなりませんからちょっと面倒です。

 なお、イヤホンは、環境音も聞こえる耳かけタイプを使っていますが、特別なものではありませんので、お好きなイヤホンがあれば、ほとんどどれでも使っていただけます。


ご注意:
 スマートソナーは安全を保障するものではありません。障害物を判定して警告を発するものでもありません。
 足元は白杖で確認してください。スマートソナーは、白杖の歩行訓練を受けられた方に使っていただくことを前提にしています。
 障害物があるかないかなどを耳で感じていただくものですから、難聴の方など耳の機能が衰えている方には使えません。

価格:
  未定です。


発売予定時期:
 新しいスマートソナーの1号機は完成しましたが、発売はもう少し先になりました。申し訳ありません。

カタログ

補足:
 新しいスマートソナーは、骨伝導ヘッドホンをやめて、環境音も聞こえるイヤホンを使っています。骨伝導ヘッドホンは耳をふさがないので良いという声をたくさんいただきましたが、出力パワーを大きくしなくてはならないために雑音から逃れることができませんでした。
 環境音も聞こえるイヤホンは耳をふさぎますが、そとの音はほとんど聞こえます。ただし、装置から音が出ているときは、骨伝導ヘッドホンでも環境音も聞こえるイヤホンでも聴覚を使いますのでそとの音は聞こえにくくなります。テストした結果、どちらを使っても事実上ほとんど同じという結論に達しました。雑音はゼロではありませんが、小さくすることができて反射音が鮮明に聞こえるようになりました。

問合せ窓口 製造・修理:ほりき工房 堀木義信
  〒690-0873 島根県松江市内中原町281-1
          ヴェルパーク内中原町304号
  電話 0852−33−7199
  メール horiki@enjoy.ne.jp

企画・導入指導:NPO法人エス・アイ・エヌ 久保正道
  〒730-0051 広島市中区大手町5-3-4 いっぽ内
  電話 082−247−0058
  メール GZB02220@nifty.com

販売代理店:有限会社アフェクション
  〒235-0036 神奈川県横浜市磯子区中原4-3-13
  電話:045−778−0579
  メール:info@affection−j.com

販売所:日本ライトハウス 情報文化センター
  〒550-0002 大阪市西区江戸堀1-13-2
  電話:06−6441−0039
  メール:enjoy@lighthouse.or.jp

ほりき工房の自己紹介:

 ほりき工房は、元サラリーマンの堀木義信が経営する小さな個人企業です。上記の方々の協力・支援を得て超音波を使った歩行補助具・スマートソナーの開発・改良・販売をしています。
 上記のNPO法人エス・アイ・エヌの久保正道さんは全盲です。スマートソナーのアイディアを出してもらって、できてきた試作品の評価をしてもらっています。
 そのアイディアを電子装置として具体化し製作してくださっている方は、上記にはありませんが、名古屋で電子工房エムビーラボを経営されている西川克巳さんです。西川さんは電子楽器テルミンも作っておられます。
 販売代理店をお願いしている有限会社アフェクションさんは超音波体感距離計「みるぶる」の開発・販売もされています。社長の浅井さんも全盲です。
 さらに、販売では日本ライトハウス情報文化センターのご支援もいただいています。

 このようなご協力・ご支援を得てスマートソナーができていますが、目の見えない方にとって本当に役に立つ装置をつくり出すことの難しさを痛感しています。これからも、より良いスマートソナーを目指して地道に進めていきたいと思いますので、展示会などで多くの方にお試し体験をしていただいて、ご意見を聞かせていただければ幸いです。

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